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3月5日[その日の暦]

 
   トサコバイモ (ユリ科) Fritillaria shikokiana

奄美大島で偶然お会いしたのが,富山大学の鳴橋直弘先生である。私はスミレ,先生はキイチゴの調査でこの島に来ていのだが,現在通用しているコバイモの分類を提唱した人でもある。トサコバイモの学名もFritillaria shikokiana Naruhashiである。
フィールドへの道々,いろいろ話をしているうちに,私はこんな質問をした。
「...それでは種とはいったいなんですか?」
今思えば無知な素人の頭をふとかすめた素朴な疑問であるが,この問いに先生は心から答えてくださった。
「それは生物学上の大問題です」すべての生物学者にとって簡単に答えの出せない大問題だというのである。
この言葉を聞いたとき,私は植物学に初めて出会ったような気がした。「種」が何であるかもわからないのに,「種」に分類する植物分類学。これは大きな矛盾であるようにも思える。
しかし,その矛盾をかかえこむことが,植物学のほんとうのおもしろさを知ることでもある。

【見わけ方】
細長い釣鐘形の花を持つコバイモは,トサコバイモホソバナコバイモホソバナコバイモの葯は黄白色。トサコバイモは黒紫褐色。

【ひとくちメモ】
トサコバイモは1979年に発表された比較的新しい名前。それまではホソバナコバイモと一緒に考えられていた。このとき,イズモコバイモ,カイコバイモも同時に新種として発表された。
J. Geobot., 26(4): 88(1979).
1996年5月2日 高知県長岡郡
ペンタックスZ-1P タムロンSP90mmF2.8 f5.6  絞り優先オート(-0.3) フジクローム・プロビア100


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