ホクリクネコノメの仲間

Groupe Chrysosplenium fauriei

萼裂片が直立し根生葉が丸くて柄のない種。雄しべと雌しべの長さでホクリクネコノメ種、ヒダボタン種、ボタンネコノメソウ種に大別でき、さらに種内にそれぞれいくつかの変種や品種がある。雄しべの長さは成熟度によるちがいも大きく、雌しべの長さを見るのがわかりやすい。また、果実期の残存花柱、残存花糸は熟度による誤差もなくかえって同定のよいポイントになるが葯の色が消えてしまうのは痛しかゆしだ。

	ホクリクネコノメソウ Chrysosplenium fauriei	サンインネコノメ Chrysosplenium fauriei forma ferruginiflorum	ヒダボタン Chrysosplenium nagasei	ヒメヒダボタン Chrysosplenium nagasei var. luteoflorum	アカヒダボタン Chrysosplenium nagasei var. porphyranthes	ボタンネコノメソウ Chrysosplenium kiotense	キンシベボタンネコノメ Chrysosplenium kiotense forma xanthandrum	スズカボタン Chrysosplenium suzukaense
花序									花序
花									花

萼裂片	淡黄色。	茶褐色。	淡黄色。やや褐色を帯びることもある。	淡黄色。	赤紫褐色。	赤紫褐色。	淡黄色。	茶褐色。	萼裂片
雄しべ雌しべの長さ	萼裂片より明確に長い。	萼裂片より明確に長い。	萼裂片よりわずかに短い。	萼裂片よりわずかに短い。	萼裂片よりわずかに短い。	萼裂片より明確に短い（2/3～1/2）	萼裂片より明確に短い（2/3～1/2）	萼裂片より明確に長い。このページでは本種だけが雄しべが4本。	雄しべ雌しべの長さ
裂開前の葯の色	暗紅紫色。	暗紅紫色。	赤色。	黄色。	赤色。	赤色。	黄色。	暗紅紫色。	裂開前の葯の色
分布	本州の日本海側。	近畿以西の本州日本海側。ホクリクネコノメと重複する。	長野県以西の本州。日本海よりの内陸。	長野県以西の本州。日本海よりの内陸。	岐阜滋賀県境の石灰岩地帯を主体に分布。秋田県や中国地方にも似たものがあるが精査が必要。	長野県以西のの本州。太平洋寄りの内陸。	滋賀県以西の本州。主に内陸地方。	鈴鹿山系の石灰岩地帯。	分布
同定のポイント	本州の日本海側では広い範囲で見られる。8ポンの雄しべがあり、はっきり萼裂片から飛び出していれば本種か品種のサンインネコノメにまちがいない。	ホクリクネコノメに似て、萼裂片が茶褐色であれば本品種。ホクリクネコノメとの間に中間型もある。	ホクリクネコノメに似ているが、雄しべは萼裂片から大きく飛び出すことがない。裂開前の葯は赤色だが花粉は黄色なので注意。	ヒダボタンに似ているが、裂開前の葯は黄色。	ヒダボタンの種内変種とされているが、鈴鹿から伊吹山系のものは、水の滴る岩場かカルスト台地に限られ生育環境にも特徴がある。ボタンネコノメとの識別は次の欄を参照。	アカヒダボタンによく似ているが、雄しべ雌しべが短く、萼裂片の半分から2/3ほど。また葉脈が明瞭なのもヒダボタン種とはちがうボタンネコノメソウ種の特徴。	ボタンネコノメソウの色ちがいといえる品種。萼裂片が淡黄色で裂開前の葯は黄色。その点ではヒメヒダボタンに似ているが、雄しべ雌しべが短く、葉脈が明瞭な点で見分けられる。	比較的最近記載された新種。それまでホクリクネコノメとされていたが、雄しべが常に4本と決定的ちがいがある。小型で分布が石灰岩地帯に限られる。	同定のポイント
果実									果実
	ホクリクネコノメソウ Chrysosplenium fauriei	サンインネコノメ Chrysosplenium fauriei forma ferruginiflorum	ヒダボタン Chrysosplenium nagasei	ヒメヒダボタン Chrysosplenium nagasei var. luteoflorum	アカヒダボタン Chrysosplenium nagasei var. porphyranthes	ボタンネコノメソウ Chrysosplenium kiotense	キンシベボタンネコノメ Chrysosplenium kiotense forma xanthandrum	スズカボタン Chrysosplenium suzukaense

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