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1月21日[その日の暦]

 
   ダケカンバ (カバノキ科) Betula ermanii

栂池高原の中央にそそり立つ一本のダケカンバ。この木は植物写真家の大先輩Kさんの木である。この木に向けてシャッターを押すと,月末にKさんからシャッターを押した回数に応じて請求書が届く...,なんてことはないが,なんとなくこの木にシャッターを向けるときにはKさんの作品を思い浮かべてそれと格闘しなければならない。
これはKさんのダケカンバだけでなく,ある植物の突出した作品が心に焼きついているときは,いつも同じである。T先生の野菊,Aさんのふきのとう,Kさんのカタクリ,Mさんのブナ,Iさんのマングローブなど,すぐにいくつもの作品が思い浮かぶ。
このときは幸いというべきか,不幸にしてというべきか,当のKさんを横に置いての撮影だった。観察会の最中だったが,Kさんの木を前にして私にできることは多くなかった。皆の撮影指導をKさんに任せ,私はひと時撮影に専念させていただいた。

【見わけ方】
シラカンバとダケカンバはよく似た樹木だが,生態はかなりちがう。シラカンバは比較的ゆるい斜面や平坦地に多く,激しい雪崩が起きるような環境では生きていけないが,ダケカンバの生えるところは,雪が多く雪崩が頻発するような急斜面が多い。ダケカンバの方が標高の高いところまで生える。
見わけ方としては,樹皮の色(ダケカンバ=肌色,シラカンバ=白色),葉の側脈の数(ダケカンバ=7-12対,シラカンバ=5-8対),果穂の向き(ダケカンバ=上向き,シラカンバ=下向き)などが主なところ。

【ひとくちメモ】
和名は岳樺で山岳地帯に生えるところから。
2000年6月4日 長野県北安曇郡
ペンタックスZ-1P  FA★ズーム28〜7ミリF2.8 f11 絞り優先オート(+0.7) フジクローム・プロビア100


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