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2月25日[その日の暦]

 
   シデコブシ (モクレン科) Magnolia tomentosa

東海地方の里山には,世界中でここだけにし分布しない植物がいくつか知られている。シラタマホシクサやこのシデコブシが顕著な例だろう。
花が美しいので庭木としても普及している。植栽すれば普通の庭の土でも栽培は難しくないようだが,自生地は水が沁みだしているような湿地に限られている。
湿地を好むというよりは,ほかの植物が生えにくい湿地に逃げこむようにして生えていると考えるべきかもしれない。
ほかのこの地方特有の植物の多くも,湿地に生えている。そういった湿地ができやすい地質を持つことが,この地方に特殊な植物が残ってきた大きな要因だと考えられている。

【見わけ方】
シデコブシの重弁の正体は雄蕊の一部が花被片に変化したもの。萼片が変化したという説(本サイトでも当初そう書いた)は誤り。この件についてはさる専門家からご指摘をいただいた。
タムシバやコブシは花が純白のものだけだが,シデコブシは白から淡紅紫色まで変化がある。

【ひとくちメモ】
東海地方の湿地は,東海丘陵要素と呼ばれる固有の植物のほか,ほかの地域では亜高山帯や北方に多い植物(ミズギク,イワショウブ,ネバリノギラン,ヤチヤナギ)や,大陸との共通種(ミコシギク)など分布上興味深い植物が多い。
2000年4月2日 愛知県田原町
ペンタックスZ-1P FA★ズーム80〜200ミリF2.8 f4.5 絞り優先オート フジクローム・プロビア100


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