寝覚の床のケイリュウタチツボスミレと東海地方の固有植物 　ケイリュウタチツボスミレは1990年代に記載された新しいスミレ。タチツボスミレの変種で、時々水没するような渓流の河畔に生えます。このツアーでは、長野県、寝覚の床近くの基準標本産地を訪ねて、もっとも典型的なケイリュウタチツボスミレを観察します。岩の隙間に生えるコンパクトなたたずまいはまるで高山植物のようです。この地方に特徴的な白い花崗岩との映りも抜群。よい被写体になってくれます。この季節の木曽地方は、ほかにもスミレの宝庫、エイザンスミレ、ヒナスミレ、ヒカゲスミレ、マルバスミレのほか、ヒゲネワチガイソウやニッコウネコノメソウなども咲いているでしょう。 　岐阜県、恵那地方では、シデコブシやハナノキなど、この地方特有の植物が残る湿地を訪ねます。春のツアーは花期が難しいところです。普通の年なら残花となりそうですが、春の訪れの遅い年なら、満開のシデコブシに出会える可能性もあります。また、季節の進み具合によってはカタクリやハルリンドウなどが咲いているかもしれません。 　最終日は、愛知県に入って、芽吹き前の落葉樹林で春一番に咲く野草を探索します。これも近年記載されたばかりのトウノウネコノメが花期を迎えています。コガネネコノメに似ていますが、雄しべが長いのが特徴。また、少し標高の高いブナ林では、まだ正式に名前のついていないトウカイスミレが、ほかのスミレに先駆けて花を咲かせる季節です。 　名古屋集合の参加しやすいツアーです。たくさんのスミレが一度に見られるので、スミレの見分け方入門にも最適でしょう。

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