スミレの種内変異

Group Species of Viola mandshurica

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いずれもスミレの種内変異。基本変種のスミレと必ずしも明確に分けられないことがある。特に,アナマスミレとアツバスミレは,従来日本海側にアナマスミレ,太平洋側にアツバスミレが分布するといわれていたが,西日本の日本海側や四国の瀬戸内側で見られる海岸型スミレは,どちらとも同定でき,この変種を区別しない見解もある。


スミレ
Viola mandshurica

アナマスミレ
Viola mandshurica var. crassa

アツバスミレ
Viola mandshurica var. triangularis

ホコバスミレ
Viola mandshurica var. ikedaeana


特徴
基本種。葉はへら形で,植物体は有毛〜無毛まで幅広い。
日本海型の海岸変種。植物体は側弁をのぞいて無毛。葉は,光沢が強く,細長くて内側に巻くことが多い。
太平洋側型の海岸変種。植物体は側弁をのぞいて無毛。時に側弁も無毛。葉は光沢が強く典型的なものでは楕円形になる。
主に,西日本の草原に生える変種。葉が細く矛型になる。
特徴
分布
北海道〜沖縄。
北海道,本州の日本海側。四国の瀬戸内側。
本州関東以西,四国,九州の太平洋側。
本州関東以西,四国,九州の主に草原。
分布
生育環境
人里から山地の日当りのよいところ。
海岸の砂浜や岩場。海岸近くの人家周辺の路傍。
海岸の砂浜や岩場。海岸近くの人家周辺の路傍。
草原や崩壊地,スミレに比べて,より日当りがよく乾燥する環境に多い。
生育環境
備考

葉が内側に巻くものが典型的とされているが,西の地方に行くほどその傾向は弱くなり,アツバスミレに近くなる。瀬戸内や中国地方,九州北部などで見られるものは,アツバスミレとも,アナマスミレとも同定できる。
葉は光沢が強く典型的なものでは楕円形になるが,このような型は伊豆諸島以外ではほとんど見られない。また,伊豆諸島でも基本変種のスミレに近い葉形を持つものもある。渥美半島などで見られるものは,葉の光沢が強いこと以外は基本変種とほとんど変わらないが,この光沢は種子から育てたものもかわらない。

備考

スミレ
Viola mandshurica

アナマスミレ
Viola mandshurica var. crassa

アツバスミレ
Viola mandshurica var. triangularis

ホコバスミレ
Viola mandshurica var. ikedaeana


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